リジェクトから8ヶ月、1円から始まった副業アプリ開発の軌跡【2作目の挑戦】

前回は、私の1作目のアプリがAppleの審査でリジェクトされ、「このアプリには価値がない」と言われた挫折の物語を書きました。
今回は、その挫折から這い上がり、人生を変えることになる2作目のアプリ開発の物語です。
挫折の8ヶ月
1作目のリジェクトから、何もやる気が起きませんでした。
Macを開く気力もなく、ただ時間だけが過ぎていきました。
それでも、心の片隅にずっと残っていました。何かが、私を諦めさせませんでした。
「せっかく審査まで出したのに」「何が悪かったんだろう」「他に作れるものはないかな」
そんな思いが、頭の中をぐるぐると回り続けていました。
ソファーでの一瞬の閃き
2019年1月。リジェクトから約8ヶ月が経ったある日のこと。
何気なくソファーに座ってテレビを見ていた時、ふと頭の中にゲームのアイデアが浮かびました。
(詳細は伏せますが、パズル系のアプリです)
まるで稲妻が走ったような感覚でした。
1作目のアプリを思いついた時と同じ、あの心がワクワクする感覚が戻ってきました。
どう作るか、大まかな設計図が頭の中で次々と組み上がっていきます。細かい部分は後回しでいい。まずは最小限の機能でリリースしよう。
今度こそ、絶対に審査を通してやる!
その決意と共に、私は再びMacを開きました。
コメダコーヒーでの孤独な戦い
平日は仕事から帰ると、すぐにMacを開いて開発に没頭しました。
そして土日。朝から夕方まで、私はコメダコーヒーに通い詰めました。
カフェを選ぶ基準はシンプルでした。充電ができる席があるかどうか。満席だと別のカフェを探さなければなりません。だから、開店直後の朝早くから行くようにしていました。
2〜3ヶ月、ほぼ毎日。
周りのお客さんは友人や家族と楽しそうに過ごしています。私は一人、黙々とコードを書き続けました。
妻は何も言わずに送り出してくれました。でも、土日に一人で家にいる彼女の寂しそうな表情が、今でも忘れられません。
それでも、私は開発を続けました。ここで諦めたら、また同じ挫折を繰り返すだけです。
何度も何度も、審査とリジェクトの繰り返し
ある程度形になってきました。よし、いよいよリリース申請です。
しかし現実は甘くありませんでした。何度もリジェクトされました。
最初のリジェクト理由は「クラッシュ率が高すぎる」でした。テストでは問題なかったのに、審査環境では落ちてしまっていました。
修正して再申請しました。今度は「広告の位置がガイドライン違反」でした。
また修正し、また申請し、また...
でも、前回のような「価値がない」というリジェクトはありませんでした。
これは技術的な問題。修正できる問題です。
そう自分に言い聞かせながら、私は修正に修正を重ねました。
そしてついに、審査を通過しました。
無名な開発者の静かなスタート
審査を通過した喜びも束の間、現実が待っていました。
リリースしても、ダウンロード数は全く増えませんでした。
そりゃそうですね。誰も私のことなんて知りません。アプリストアには何百万というアプリがあります。その中で、無名の私のアプリが見つけてもらえる確率なんて、ほぼゼロに等しいです。
でも、諦めるわけにはいきません。
毎日アプリを起動してバグがないか確認し、ユーザーからのフィードバックやレビューがついていないか、何度も何度もストアをチェックしました。
思いついた機能があれば、すぐに実装してアップデートをリリース。止まったら終わりです。動き続けなければなりませんでした。
0円の毎日、そして奇跡の「1円」
毎日、Google AdSenseの管理画面を開けば、そこにはいつも同じ数字が表示されます。¥0。
それでも、私はめげずにアップデートを続けました。「いつか、必ず」と信じて。
そしてリリースから数ヶ月が経ったある日、いつものように管理画面を開くと、そこには見慣れない数字が表示されていました。
¥1
たった1円。コンビニのガムも買えない金額ですが、でも私はスマホの画面を何度も見返しました。
たった1円が教えてくれたこと
この1円は、ただの1円ではありませんでした。
何もない状態から、自分の力で1円を生み出すことができました。
誰かが私のアプリを使ってくれて、広告を見てくれて、そして収益が発生しました。
こんな自分でも、誰かに価値を提供できたんです。
そう思うと、胸が熱くなりました。
妻と分かち合った「5円」の喜び
それから数日後、収益が5円になった日がありました。私はすぐに妻に報告しました。
「ねえ、今日5円稼げたよ!」
すると妻は笑顔で言ってくれました。
「え!5円でもすごいじゃん!」
その言葉が、何よりも嬉しかったです。
週末、一人でカフェに行く私を寂しそうに見送ってくれた妻。そんな妻が、こんなささやかな成果でも一緒に喜んでくれる。この瞬間、私は「続けてきて良かった」と心から思いました。
収益の成長、そして見えてきた光
2019年の月別収益
| 月 | 収益 |
|---|---|
| 2019/05 | ¥1 |
| 2019/06 | ¥66 |
| 2019/07 | ¥494 |
| 2019/08 | ¥250 |
| 2019/09 | ¥369 |
| 2019/10 | ¥635 |
| 2019/11 | ¥3,310 |
| 2019/12 | ¥5,309 |
収益は波がありました。増えたり減ったり。でも、確実に右肩上がりでした。
12月には月5,000円を超えました。1日約100円。
コーヒー1杯分にも満たないかもしれません。でも私にとっては、大きな一歩でした。
8,000円突破:届いた「個人開発者の証」
Google AdSenseには、収益が8,000円を超えないと引き出せないという制約があります。
つまり、8,000円に達するまでは、どれだけ稼いでも1円も受け取れないのです。
そして、累計収益がついに8,000円を突破した時のこと。
郵便で届いた「宝物」
**2020年1月頃のこと。**ポストにGoogleからの封筒が届きました。
開けてみると、そこには個人識別番号が記載された用紙が入っていました。

7年経った今でも大切に保管している宝物
この個人識別番号は、本人確認のために郵送で送られてくるものです。これをGoogleのシステムに入力することで、初めて銀行口座への振り込みが可能になります。
この瞬間、初めて自分の銀行口座に収益を引き出すことができました。
この時、思いました。
これは、YouTubeの金・銀の盾のアプリ開発版なんだ、と。
コメダコーヒーでの孤独な開発。何度ものリジェクト。0円の日々。そして妻の支え。
すべてが報われた気がしました。
この感動は、一生忘れることはないでしょう。
2019年を振り返って
これが、アプリリリースの2019年の物語です。
挫折から始まり、小さな成功で終わったこの1年です。
この1年で得たもの
技術的なスキルも大切です。でも、それ以上に大切なものを得ました。
- 諦めない心 - リジェクトを乗り越える力
- 継続する習慣 - コメダコーヒーでの毎日が教えてくれた
- 家族の支え - 妻の励ましがなければ、ここまで来れなかった
- 小さな成功の積み重ね - 1円から始まった収益
- 仲間の存在 - 同じ道を歩む個人開発者たち
- そして、自分の力で価値を生み出せるという自信
これらは、お金では買えない、かけがえのない財産になりました。
次回予告
この2作目のアプリは、その後どうなったのか?
- Androidへの展開と新たな挑戦
- Flutterでの全面作り直し
- さらなる収益化への道のり
次回は、アプリ開発の次の章をお届けしたいと思います。
この記事が、アプリ開発を始めようと思っている方、リジェクトで挫折した方の背中を押すことができれば、これ以上の喜びはありません。
小さな一歩でいい。まずは、始めてみてください。
次の記事では、Androidアプリ展開とFlutterでの作り直しについて書いています。このアプリが、より多くのユーザーに届くまでの軌跡をお届けします。
